不動産業界は “イノベーション” するべきだ。…しかし消費者は、業界に何を求めるだろうか?

と、大きく言ってはみたものの、だぶん何も求められていないと思うのです。そもそも、誰もそんなこと気に掛けやしません。

それは、私たちの生活に欠かせないと言われる「衣」「食」「住」のなかで、「住」が最も利用頻度の低いサービスであるから、ということに理由付けられます。

だって皆さん、不動産屋ってそんなに頻繁に利用しますか?

確かに三大需要の「住」=「家」は毎日利用するものですが、不動産屋となると利用頻度は極端に低くなります。

特に「マイホームを買う」なんてのは、できれば一生に一回が良いわけで。なかには、一生に一度も不動産会社を利用しないという人も、決して少なくないと思うのです。

私も含め一般的な消費者は、日常に欠かせないサービスや商品に対して積極的な改善を求めます。しかし、普段関わりの薄いものに対しては自然と消極的になってしまうものです。

例えば携帯電話もそうです。当然、これも毎日のように利用しますが「携帯電話を買う」となると、その頻度は途端に低くなります。そして契約時には消費者にとって理不尽な条件が多いように見受けられます。

ようやく2年という契約期間(そもそもこの縛りも問題になっています)が過ぎ、満期を迎え新たに携帯電話を契約しようとすると、まるで保険のように、何だかよく分からないオプションを幾つも抱き合わせで契約させられます。

これらは必ずしも全ての契約者にとって必要とは言えない内容の商品ばかりです。しかし「これっきりのことだから」とぬいうことで、言いたい文句をグッと飲み込んでサインしている人も少なくないはずです。

不動産会社も同じです。日常的な関わりが希薄な分、消費者は弱い立場に立たされても不利な条件を呑んでいます。

しかし頻繁に利用されるサービスは違います。

例えば、「衣」は季節ごとに 「食」は毎日でも利用されるサービスですが、そうしたサービスに問題が起きれば、同時に多くの人の目に止まります。時にはそれが社会問題にまで発展するケースも珍しくありません。事実、近年ではスマートフォンとSNSの普及により、悪い情報はあっという間に拡散され、日本全国いたるところで同じような不祥事が目立つようになりました。

そうした問題への対応を一歩でも誤れば、あっという間に客離れが起こり、たとえ大企業であっても生き残りは困難な競争の激しい産業です。

そこでは無数の企業が凌ぎを削り「消費者は常に新しいものを求め、とても飽きやすい」ことを知っているので、決して現状維持には甘んじません。

「更に良く」「新しく」と、日々サービスや品質を追求し、変化します。

だから業界全体の成長スピードも非常に早いのです。

実際、スーパーや飲食店(食)、衣料品店(衣)の件数は、不動産会社(住)の数を圧倒しています。そして、業界のトレンドやブームは毎年、毎季節ごとに移り変わり、次々と新たな業態のビジネスが生まれます。

例えば最近では、回転率を上げることで高級なイメージのあるフランス料理を、通常の半額以下の価格で食べられたり、

毎月定額で「好きな洋服をレンタルし放題」なんていう、これまで考えもしなかったサービスを提供するブランドも現れました。

このように消費者の日常に欠かせない企業は、常にニーズを敏感に察知し、それを満たすための商品やサービスを形にして提供できているのです。

だから結局、不動産業って〝日常に欠かせないサービスじゃない″ のかもしれません。

もしあなたが今、不動産会社で受けているサービスが気に入ってなくても「どうせコレっきりだから」と割り切って、我慢されてしまっているのではないでしょうか。

そんな現状は、本当に悲しいです。それではこの業界、なかなか改善されません。

変化のスピードだって、どう見積もってたって他の業界に比べて遅すぎます。

今まで得られていた自分たちの利益を守ることに必死で、現代の消費者が望む新たなニーズに応えるような姿勢はほとんど見られません。

昔から不動産会社に定着しているイメージが、今だ一向に変わる気配がないのは、こうした要因があるからだと私は考えています。

そして8年も不動産業界にいれば「今、業界で何が一番の問題か?」は、嫌でも見えてきます。

次回は、そんな私が自分なりに考え、たどり着いた解決法について書きたいと思います。

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